2011年11月3日木曜日

The Donge la Siaya(シアヤ玉)への道

にどうやら犯人はノミ之助君だと判明してきた、私の虫刺され。

手足中心の被害から、いよいよデリケートゾーンへと近づいてきた、今日この頃、

以前もご紹介した、

『Donge la Siaya』のサンプル作りに精を出している。




今の時代、ネットで調べるとそれはもう、いろんな料理のレシピが出てくる。

しかし、私が目指すものは、教科書どおりでおいしいだけのものではない。


そう、シアヤでとれる材料で、単価が安く、身体によく、炭で作れて、腹持ちがよく、保存もある程度きき、シアヤの食文化から離れすぎず、そしておいしいモノ。


ある程度、選ばれし材料陣は決まってきた。
 《小麦粉・キャッサバ粉(タピオカ粉)・ウガリ(甘くないとうもろこし粉)・砂糖か蜂蜜・アマランス・ゴマ数種類の栄養価の高い野菜の粉末・ミレット(きび)・大豆粉・サツマイモかバナナetc・・・》



あとはいかに小麦粉や砂糖、油などのシアヤの畑から取れない材料を減らして作るか。

どんな分量で、どんな方法で作るかがミソ。





ほぼ毎晩3時間近く台所に立ち、かれこれ数十回の試作を重ねているが、まだ「これだ~!」というゴールは見えぬ。

失敗作を片付けるために、己の胃がもたれていくばかり・・・・・。





炭焼きバームクーヘンも試した。



時間がかかりすぎて、×。





蒸し焼きも試した。



コレも時間がかかる上に、砂糖が少ないとまずいので、×。




他にも、なぺを二つ使ってオーブン風にして、
クッキーや、ドライイーストを使ってのパン。

キャッサバ粉を多く使ってお湯でゆでたタピオカ風ダンゴ。

卵多めバージョン、牛乳多めバージョン、メレンゲバージョン、小麦粉なしバージョン

などなどなど・・・・・。


あ~料理の女神よ~私に宿れ~


もともと食べるの専門だし、分量量るのも好きじゃないし、

火をつけてから冷蔵庫を空けて考えるくらい気まぐれな創作料理を得意とする私が、

ちゃんとよい答えにたどりつくのだろうか。





ちなみに、

ケニアは、マンダジ(揚げドーナツみたいなの)やチャパティ(油をふんだんに使ったクレープ風のやつ)がよく道端で売られていて、Donge la Siayaのライバルになるだろう。

奴らの人気は根強く。1メートル間隔で売られていることもしばしば。
栄養素は限りなく低く、非常にシンプルな味なのに、なぜかやめられない。



お宅によって若干味や食感が違ったりするけど、

ケニアのご家庭では基本中の基本の料理。
誰でも作れる。



手軽さ、時間短縮、食文化を考えると、

やはり揚げるという方法を採用せざる終えないかな。



研究は続く・・・。




そんな私たちを励ますかのように


採用された優秀な植物たちは、着々と育っております。





今年中には何とかモノにしたい。

何かいアイデアのある料理の女神様がいましたら、アドバイスを~。



つづく。


2011年11月1日火曜日

The 拝啓 恐ろしきお袋さんよ。


あ~恐ろしや~恐ろしや~

ノミかダニか、はたまた蚊なのか、

全身何者かによって、虫食まれている私の体。

いつの間にか刺され、恐るべきかゆみに襲われ、ちょっとかくと水ぶくれに変わり、治ったと思ったら、赤黒い痕になる。

何かしていないと気になって気になってショーがない。

あ~恐ろしや~恐ろしや~

とりあえず昨日大掃除をしたので、少しよくなればいいが・・・
恐ろしすぎる。






話は変わるけど。

私は今ケニアにいる。

その前も存分にアルペンスキーをやってきた。

それ以外にも、

家にあるモノを勝手に使い思うままに質の悪いモノを作ったり、

暴れん坊将軍に憧れ、なんとなく「馬に乗りたい」といったら、
奴に地元の馬術部につれていかれたり、

思いつきで言ったことを奴にどんどん実行されたり、どんどん外部に話されたり、

弁当が女子高生が食べるとは思えない3段重ねの箱弁だったり、

・・・・・・。


今まで、多少の金銭的な苦労はあったけど、

引っ込み思案で、平凡な私が、

なぜかいつもどこか変わり者かのようになってしまったのは?

いや
やりたいことを思う存分にやれてきた。



 
それは恐ろしい奴のおかげ。
つまりそれは母。

 
打たれても打たれても出る杭の母。
いつも必死で戦っている母。
空回りでも何でもとりあえず動き回る母。
お金はためるモノではなく、使うモノ派の母。
泣いたり怒ったり笑ったり情に熱い母。
贈り物には必ず『加藤美人ママ』と書く母。
いつも誰よりも温かく応援してくれる母。




あんまり、自分の母についてじっくり考えることはなまりなかったが、

あらためて考えると、

あんたは偉大ですわ。


今まで、母によってお金や時間が計画通りにならなかったことがたくさんあるが、

そのおかげで、すれすれのところを必死にやってこれたのかもしれない。



母の強さに比べれば、私なんて、今私を苦しめているダニほどのもんでしょう。

でも、あの母の子だから、簡単にはつぶれないのも知っている。

だから、なかなかハツラツとやり切れていないですけど、

もう一発、気合入れてやってみますから~



秋田も今頃は紅葉の時期で商売忙しいとは思いますけど、

まだまだお互いくたばるわけにはいきませんので、

ムリせず、食うもんは食って、戦いぬこう。


わが加藤家は永久に不滅です~。




母よ

Happy Birthday

おでめとう。


感謝なんていう言葉でおさまらないけど、

今後もおとなしくちゃんとしたところに
収まるかは分からないけど、

あんたの子だという幸運を最大限に活かして生きていこうと思いますわ。

じゃ、達者でな~。

こんな誕生日プレゼントで悪いね。




 


2011年10月19日水曜日

The 『You are dirty!』


『You are dirty.(あなたは汚い)』
『Are you a boy?(あなたは男の子)』


っておい!

SIAYAのファッションリーダー?かわいいで有名?
だったはずが、

純粋な子供たちによって私に大打撃を与えたこの言葉。


ま~そういわれるのも完璧に無理もない。

趣味といったほうがいいのか、SIAYAの未来のためといっていいのか、最近は朝夕農作業に励んでいる。

目的は、Donge la Siaya(SIAYA球)を作り広めるため。

Siayaで取れる抜群に栄養価の高いローカル野菜など、とにかく地のモノを使って、

材料費が安く、身体にめちゃくちゃよく、手軽に食べられ、長くもつ
Donge la Siaya!

 
みんなの健康志向を刺激し、ローカル野菜の人気と知名度さらにアップ、みんなが大好き
Donge la Siaya!


 特別なものではなく、ココにあるものをバランスよく食べ免疫アップ、間接的なエイズ対策
Donge la Siaya!


Siayaってすごいじゃん、Kenyaってすごいじゃん
Donge la Siaya!


SIAYAの未来へ届け
Donge la Siaya!



ということがねらいなわけです。


 
自分たちで作った新鮮な野菜で地産地消のユースの収入向上活動にでもなれば、なおよし。



ということで、大量のローカル野菜を育てることから初めております。

Siayaはすごいんです。

いちよう雨季と乾季があるようですが、ほとんど年中気候は変わらず、雨もそんなに困ることなく降る。だから、植物は年に2~3回収穫期を迎えます。

ローカル野菜なんて、その辺にいくらでも生えてて年中取れます。


ということで始めた農作業ですが、

どうせやるなら豊かな土で、いいものを育てたい。
でもお金はかけたくないので、

Newトイレ設置。


おしっこ肥料使用決定。

毎日おしっこを持って畑に出勤し、20倍に薄めて畑にまきます。

完璧にケニア人引いてます。



毎日確実に汚れるので、選択の意味は忘れました。
毎日畑仕事の際は同じ服を着てます。
たしにかに汚い。


私たちの畑を支える商売道具、おしっこと鍬。




 
いつも邪魔しに?いや手伝いにやってくる怪獣たち。




そして、一汗かいたあとはコレに限る。
最近近所で売り始めた、凍ったアボカドヨーグルト。
うますぎるやないか~








畑にいて、みなと畑を耕していて思うこと


ご飯では、体力が持たぬ。やっぱりウガリじゃないと。

機械や、水道から水が出ることがどれだけすごいことか。

雨とはなんともありがたし。

土地を耕し、種を植え、毎日水をやり、ケアをする、
収穫に至るまで、どれだけの苦労があるのか、そしてそれをとって食べたときの小さな喜び。


それから、

子供らはよーく働いている。

児童労働という言葉に当てはまるのか、お手伝いに当てはまるのか、その境目は分からない。

畑の耕し方もよく知ってる。


畑に水をといっても、川までの長い道のりを水汲みのためになん往復もする。

力がなければ、頭さえも使わなければ、家族内での自分の役割を果たし、協力していかなければ、
生きてはいけない。


 


貧しいとか、不幸とはまったく感じないが、たくましい。
本当にみんなたくましい。






病院で働く人=エリート、お金持ち
畑で一日働く人=汚い、貧乏人

みたいなイメージが、SIAYAの若者も持っているようだけど、

どちらも人の命を支える仕事。

いろいろなポジションから、この地を見られる、コレもまた私のポジションのよきところ。

だけど、ケニア人とは体のつくりが違うみたいなので、無理せずやっていきましょうかね~


2011年10月13日木曜日

The 満足感。

わたくしいちようエイズ対策という職種で着ております。






ご存知ない方のために説明しますと、この職種、要請内容は、実に幅広く、病院のサポート、サービス改善、地域の女性グループや、青年グループの活動の活性化、データ管理強化、JICA専門家のプロジェクトサポートなどなど、


はっきり言ってしまえば、やれることをとにかくやってくれ!というもの。


そして、赴任当初、私の赴任の責任者となる県エイズ・性感染症対策委員(DASCO)とPSC(HIV陽性者サポートセンター)のBOSSが私に聴いた。




「What is your object?」



そのとき、Object(目的・目当て・目標)の単語の意味すら分からなかった私は、それを答えることができず、とりあえずこのように答えた、


「始めはいろんなところを見て、自分ができることを見つけて全力でやってみる!」と。

そして、今に至る。

ま~いろいろやってみてきた。

ま~よくやったんでないかえ~といえばそうだし、まったくアカンといえばそうとも思える。

自己満足することもできるし、自分を責め続けたらいくらでも責められる。



SIAYAの30年後に何か変化はあるのかい?


HIV/AIDS、そいつらに対する正解は誰も知らない。


そして、私には決まった仕事も、毎日やらなければいけないノルマもない。


すべて自分次第。




「HIVはこんな病気だ。だから予防しよう。ステイタスを知ろう。陽性とわかったら病院に行ってしっかりケアを受けよう。」と声を大にして言うこともできる。

HIVのために膨大な人と援助金を投じているでっかい団体と協力することもできる。

毎日、病院に行って、手伝いながらサービス向上を目標にすることもできる。



 
でもそれでいいのだろうか。

何をやっても結局これでいいのか?と考えてしまう。


いまや大好きになったSIAYAの人のために何かしらしたい。

と考えれば考えるほど、迷路に迷う。



HIV/AIDSの周りに固まるでっかい援助という塊。

知識を持っても、行動に移すことの難しさ。

そして、特別扱いされることでおこる更なる偽善と偏見。

だからといって、完璧にHIV/AIDSと離れた活動をして良いのかという罪悪感。


さまよえる25歳のBeautiful。


でも結局信じることをやるっきゃないわけでしょ。

HIV/AIDSが問題なのではなく、
己の未来を、相手の気持ちや未来を考えることが大切なのだ。

でっかいことばかり言って、援助ばっか期待して、外ばっかり見るんじゃなく、
今いる環境に感謝し、でっかい希望を胸に、今を戦うことが大切なのだ。

それは、周りにいるケニア人にも、私自身にも強く言うべきこと。




何をしてても、していなくても、
このHIV陽性者の多い地にいて、多くの人たちを見てきて、単純に見て大変な暮らしをしてる人たちの隣で生活していて、考えないわけがない。



結局のところ、何がゴールか、何が正解かわけが分からんけれども、


SIAYAでのあと8ヶ月。

私にとって第二のふるさとSIAYAの住民として、自分らの生活のためと思ってやってみるしかないわけでしょ。







ということで、自分の中で勝手にゴールを作った。

はっきりしないもののために進むってのは辛いからね。



題して!

『黙ってるよりはましじゃ!ポスター&ステッカーわるあがきプロジェクト』
ゴール:己の人生に革命を起こせという内容のポスター・ステッカー・看板(HIV関連のものも含む)を思いつくところすべてに張る。


『ローカル農業は世界を救う!あるもの有効活用プロジェクト』
ゴール:ローカル野菜辞典を作る、健康球の普及、地のものを食って健康促進。


サイドワーク:ユースグループ&県保健事務所をコラボさせてのヘルス教育 in School。
サイドワーク2:ユースグループのささやか地産地消の収入向上活動。
詳細は長くなるので書きませんが、


エイズ対策隊員的にどうなのか、意味があるのかないのか賛否両論でしょうが、私はこれらを己のゴールと思いやったりましょうかね~


2011年10月8日土曜日

The うんこもおしっこも宝物

日本の草の根・人間の安全保障無償資金協力。
(詳しくはこちらをhttp://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/oda/shimin/oda_ngo/kaigai/human_ah/index.html)

のプロジェクトで水・衛生状況の向上と土の改善のために、SIAYA県内12の小学校に作られた、エコサントイレット。


つまり人間のうんことおしっこを、肥料として活用するためのトイレ。

とても興味があったので、見学してみた。




12校全部で、約83,300USDものお金が使われたらしい。





さすがに立派なたたずまい。
大事に使うために、鍵で管理されていた。

5年生~8年生の各クラスに一エコサントイレが割り当てられ、それぞれのクラスで鍵も管理しているのだとか。



空けてびっくり、今年の2月に完成してから、約8ヶ月経過しているのに、

まだ一度も使っていないらしい。
 このように、おしっこと、うんこが、別れて下に落ちるような作りになっている。





その落ちた先は・・・・、

鍵の束を一から試すこと15分、ようやくフタがあく。



 中は、至って単純。

しっかり、おしっことうんこが分かれていた。


ちなみに、エコサントイレを使うか、普通のトイレを使うかは生徒が選べる。

肥料になる、地球に優しいと分かっていても、鍵が必要で、ちょっと気を使って用をたさなければいけないエコサントイレと、

ささっと済ませれるノーマルトイレ、

子どもたちの足を向かわせるのは、今のところ


 勝者:ノーマルトイレ。

ここで言わせていただくと、大量の水で毎回流さないと詰まってしまって、使い物にならない水洗トイレと比べても、

確実に勝者:ノーマルトイレ。








そして、エコサントイレの下のうんこバケツがいっぱいになったら、乾燥場所に持っていき、灰をまぜて約6ヶ月置いておく。

おしっこは、水で10倍に薄めて、そのまま作物へ。


ウンコでも、灰を混ぜて乾燥させると、においはもはやなくなる。


ちなみに今回行ってみた学校では、今のところ5ウンコ袋。

まだ6ヶ月寝かせていないので、肥料としては一度も使ったことがないらしい。








大抵の学校では、畑を持っていてそれを売って学校運営費に回したり、給食に使ったりする。

エコサントイレットは衛生的にも、経済的にも、間違いなくよいシステムだけど、

あとは、面倒くささが問題かな。

援助で作ったものを大事に使ってくれるのはいいけど、せめて日中は鍵を開けっ放しにしたら、もっと使用量がふえるんじゃないかと思った。



私もおしっこ肥料やってみようかな~

これから、
毎日畑に自分おしっこ持って行ったらみんな引くだろうか~

The ルオ油

Mor nyaluo。

ルオ族の伝統的な油。

前から、話は聞いていたけど見たことがなかったので、見に行ってみた。




この入れ物の中に、牛の乳を入れる。
そして、半日ほど寝かせる。




その後、2パターンのフリを繰り返す。






そして、中身を出してみると~

 液体と、塊が分かれて出てくる。


この塊を、火にかけると、出来上がり。





ちなみに、この出てきた液体は飲める。らしい?
 3日くらい賞味期限が切れた、濃厚ヨーグルトの味だった。





こちらが完成品。



ま、牛の乳からだから、バターに近いのかな。

ちなみに、1000シル。

ちょっと高すぎだけど、身体にいいプラス、
スーパーマーケットで類似品を買うと、その倍するらしい。

だまされたと思って使ってみるか!

まだまだ奥が深いね~シアヤ~