2011年初出勤。休んでいた間にためた、たくさんの武器(同期清水先輩力作のポスター、先輩隊員が力をいれているモリンガTreeの普及、ケニアのHIV/AIDSのトップ機関NASCOPからGETした大量のパンフレット、JICAからのポスター、Siayaのお友だちからもらった伝統栄養満天の山菜のプリントなど)を持って、堂々と出勤。すべて人様が作ったものだけど、人々のためになることなら、先人の知恵を借り、必要なものは、ずうずうしく共有していくべし2011年の私。しかし、それ以上にずうずうしい、職場のみんな。私を見るなり、「どこ行ってたんだ?何をお土産に持って来てくれたんだ?」と真顔で問う同僚たち。「I bring my best smile~!」と全力の笑顔で彼らをがっかりさせる私・・・・・。もって行ったポスターを貼った途端、モリンガや山菜のプリントやパンフレットを出した途端、次々に手を差し出す同僚たち・・・・・。モリンガの栄養のすごさを知るなり、仕事中にも関わらず、モリンガの種をボリボリ食べ始める、同僚たち。あれ~ココは、世界一のClinicではなかったか~~~。物欲を堂々と外にむき出すたくましさ、素晴らしすぎる。それと、みんなのリアクションのよさに驚く。まー「敵を欺くには味方からから」っていうしね。これで、患者さんたちにも広がっていくこと間違いなし。それと、本日から、相棒のチャーリーと一緒。これから、長い付き合いになるであろうチャーリー君。一番安いのを買ったけど、もはやSiayaの道の悪さと、私の体重に耐え切れず、サドルが傾き始めたチャーリー君。先が思いやられる。しかし、そんなチャーリー君と共に、今日は、活発なNGOを2箇所ほど訪問した。 そのNGOで出会った、Kevin。
19歳。両親をAIDSで亡くした彼は、エイズ孤児の支援を行っているNGOのスタッフをしている。 高校を卒業し、医療系の専門学校に進みたいと考えているけど、奨学金の対象にはなれず、約20万円の学費を今、何とかしようと必死だった。
アフリカの中ではわりと裕福なケニアでも、大学に行って、よい給料の仕事に就けるのはほんのほんの一握り。よほど優秀か、裕福なお宅でなければ、さらに可能性は低くなる。エイズ孤児ならなおさら、道は狭まる。
「自分が変われば、未来は変えられる」と簡単にいうけれど、コレが現実である。
3月までに何とかしないと、あきらめるしかないという彼に、「私一人では何も出来ない。ハランベー(みんなから寄付を集める集会)に挑戦するべきだ!そしたら私もいくらかはサポートできるかも」というので精一杯。
こういうケースは、そこら辺に山ほどある。
そんな中でも、自分の道を何とか切り開いていけなければ、そこで終わりだ。
ドコの国でも同じことだけど、より厳しい中で生きている彼らだからこそ、うちの同僚のようにたくましくなきゃやっていけないんだな~。
アフリカのHIV陽性者にとって、乗り越えるべきことは、スティグマや偏見だけではない。
親から感染し、親に先立たれた子供たちは、悲しみと共に、金銭的な問題の中で、自分の道を切り開いていかなければいけないのだ。
そんなことを考えながら、病院に戻り、HIV陽性者の新規登録のお手伝いをしている時にやってきた明らかにショックが隠しきれていない青年に対して、ピュアエデゥケーターがかけた言葉がものすごく心に響いた。
『あなたは一人ではない。私たちがいる。たくさんの仲間がついてる。あなたは勇気を持って生きることが出来る。あなたの人生はこれからよ!負けないで!』
彼女自身も陽性者。やはりまだまだ厳しさの残る中で、力強く人を励ますことが出来る彼女の強さとすごさを心から感じた一日だった。
どんな環境であっても、やっぱり心こそ大切なれ。
環境がどうであれ、自分がどう生きるのか。
おばちゃんはつえーな~
彼女の生き方に、大切なヒントをもらったよい一日だった。